CalquioCalquio

検索

計算ツールを検索

追加投資がある口座のCAGR:入金を運用益として数えないための判断方法

CAGR投資収益率ポートフォリオの入出金パフォーマンス測定

入出金がある口座でCAGRを使えるかを判定し、誤解を生む計算例を再現したうえで、キャッシュフローを反映する収益率との使い分けを説明します。

口座残高が増えた理由は、運用で利益が出たからかもしれません。しかし、本人が資金を追加しただけかもしれず、その両方の場合もあります。開始残高と終了残高だけでは、増加の原因を区別できません。途中に入金や出金があるのに、その2つの残高をそのままCAGRへ入れると、自分で追加したお金まで運用実績として数えることがあります。

この記事で解くのは、この口座の評価にCAGRを使えるのか、それとも入出金の時点を扱える収益率が必要なのかという実務上の判断です。数値はすべて仮定の例であり、将来予測ではありません。また、個別の金融・投資助言ではなく、計算方法を確認するための試算です。

CAGRを使えるのは一つの資金が連続して増えた場合

CAGR(年平均成長率)は、開始値から終了値までを一定の年率で結ぶと仮定したときの率です。

CAGR =(終了値 ÷ 開始値)^(1 ÷ 年数) - 1

仮定の投資が10,000ドルで始まり、外部からの入出金はなく、分配金は再投資され、5年後に16,105.10ドルになったとします。Calquio CAGR計算機へ開始値、終了値、年数を入力すると、次の結果になります。比率の計算なので、同じ通貨でそろえていれば通貨名自体は結果を変えません。

(16,105.10 ÷ 10,000)^(1 ÷ 5) - 1 = 10.00%

逆算しても終了値を再現できます。

10,000 × 1.10^5 = 16,105.10

この例では、一つの開始資金が途中の外部キャッシュフローなしで終了値へつながっているため、CAGRを使えます。ただし、CAGRは途中の変動を平らにならした数字です。各年に実際に10%ずつ増えたと示すものではありません。FINRAの解説も、保有期間が異なる投資の比較では年率換算が役立つ一方、総収益率を年数で単純に割る方法は複利を反映しないと説明しています。

さらに、開始値と終了値で、手数料、税金、分配金、通貨を同じ基準で扱っているか確認します。式が正しくても、片方だけ手数料控除後、もう片方は控除前なら、公平な比較にはなりません。

入金が架空の運用益に変わる例

次は、入出金の履歴だけを変えます。仮定の口座は10,000ドルで始まり、投資自体の収益率は正確に0%だったとします。4年目の終わり近くに本人が10,000ドルを追加し、5年目の終了残高が20,000ドルになりました。

入金を無視して開始値と終了値だけを使うと、CAGRは次のように表示されます。

(20,000 ÷ 10,000)^(1 ÷ 5) - 1 = 14.87%

Calquioは、この入力に対して総増加率100%、倍率2倍も返します。2つの残高を比較した記述としては正確です。しかし、この仮定例では投資収益率ではありません。増加した10,000ドルは全額が本人の入金で、運用益は0ドルです。

この単純な例なら、終了残高から入金額を引くことで誤りに気づけます。しかし、この引き算は一般的な収益率の計算法ではありません。最初の月に入れた資金と最後の月に入れた資金では、運用されていた期間が違います。市場価格が動く現実の口座では、各入出金の日付が結果に影響します。

注意すべきなのは、入金額の大きさではありません。評価期間中の外部キャッシュフローすべてです。追加投資、引き出し、口座間の移管、終了値と同じ基準で扱っていない分配金があれば、単純な開始値と終了値のCAGRを運用実績と呼べません。

運用の実力と投資家の資金投入時点を分ける

求める数字は、質問に合わせて選びます。現在のGIPS Standards Handbook for Firmsは運用会社向けの基準であり、個人投資家がGIPS準拠を名乗るための資料ではありませんが、用語の区別に役立ちます。同資料では、時間加重収益率は顧客による外部キャッシュフローの影響を中和しようとするもの、金額加重収益率はキャッシュフローの金額と時点を反映するものと説明されています。

別の仮定口座を考えます。

  1. 10,000ドルで開始し、年10%で2年間増え、12,100ドルになる。
  2. その時点で本人が10,000ドルを追加し、入金直後の残高が22,100ドルになる。
  3. その全額がさらに3年間、年10%で増え、29,415.10ドルで終了する。

開始値と最終値だけを使うと、誤った結果になります。

(29,415.10 ÷ 10,000)^(1 ÷ 5) - 1 = 24.08%

運用成績だけを取り出すには、外部キャッシュフローの前後で期間を分け、各期間の収益率を幾何的に連結します。

  • 前半2年の収益率:12,100 ÷ 10,000 - 1 = 21.00%
  • 入金後3年の収益率:29,415.10 ÷ 22,100 - 1 = 33.10%
  • 5年間を連結した収益率:(1.21 × 1.331)- 1 = 61.051%
  • 連結結果の年率換算:1.61051^(1 ÷ 5) - 1 = 10.00%

期間を分けた結果は、本来の年10%を再現します。単純計算の24.08%は、本人が追加した資金までポートフォリオの成果として扱ったため、過大になっています。

知りたいことに合う収益率を選ぶ

計算前に、次の表で目的を確認します。

知りたいこと適した指標必要なデータ
入出金のない一つの開始値と終了値を結ぶ一定年率CAGR開始値、終了値、経過年数。途中の外部入出金なし
本人の入出金を除いて、運用戦略がどう機能したか時間加重収益率入出金前後の評価額、または信頼できる各期間の収益率
入出金の金額と時点を含め、本人が実際に経験した収益率金額加重収益率。一般にIRRやXIRR日付付きの全入出金と終了評価額

金額加重収益率では、より多くの本人資金が投じられていた期間の影響が大きくなります。そのため、時間加重収益率と違う結果になっても、どちらかが必ず誤りとは限りません。答えている質問が違います。

複数年を扱うという理由だけで、開始値と終了値のCAGRを「時間加重」と呼んではいけません。適切な時間加重計算には、外部キャッシュフローの影響を除くための期間別評価額または収益率が必要です。また、CalquioのCAGR計算機はIRR、XIRR、キャッシュフロー調整後収益率を計算しません。入力できるのは開始値、終了値、年数だけです。

表示されたパフォーマンスを使う前の確認

外部キャッシュフローがない投資では、CAGR計算機を使い、入力条件を記録します。入出金がある口座では、日付付き取引履歴を取得してから、次を確認します。

  1. 追加投資、引き出し、移管、再投資されていない分配金があるか。
  2. 各入出金の直前または直後に評価額が記録されているか。
  3. 知りたいのは運用戦略の成績か、本人が経験した結果か。
  4. 手数料と費用は全期間で同じ基準により含まれているか。
  5. 税金、配当、為替換算、評価日を一貫して扱っているか。
  6. サービス提供者が、時間加重、金額加重、単純な残高変化のどれかを明示しているか。

SECのパフォーマンス表示に関する資料も、配当の扱い、税金や市場環境の前提を含め、計算方法を確認するよう勧めています。また、過去のパフォーマンスは将来の結果を予測しないと注意しています。方法、期間、入出金、費用控除の基準がないパーセント表示だけでは、まだ比較に使える情報ではありません。

限界と金融上の注意

CAGRは、途中の価格変動と利益・損失の順序を意図的に隠します。リスク、最大下落、流動性、インフレ、税金、投資の適合性は測りません。時間加重収益率や金額加重収益率でも、一貫した評価額と完全な入出金記録が必要です。大きな入出金や相場変動の激しい期間では、近似法の精度が落ちる場合があります。

上記の例は誤差を再現しやすくするため、毎年ちょうど同じ率で増えると仮定しています。実際の収益率は変動し、マイナスにもなります。本記事は教育目的の試算であり、個別の金融アドバイス、税務・法務・会計上の助言、投資助言ではありません。重要な判断に使う場合は、最新の取引明細と商品開示を確認し、必要に応じて有資格の専門家へ相談してください。

情報源

計算機を試す

無料のオンライン計算機で、この知識を実践してみましょう。

計算機を開く